ドクターインタビュー
ドクターインタビュー
Interview
呼吸器内科
きだ呼吸器・リハビリクリニック 院長
松本 学 先生
開業をするまでは、呼吸器外科医として肺がんを中心にがん治療や呼吸器疾患の治療に携わってきました。
経験を積むにつれて、手術だけでなく緩和も含めた全身管理にも興味を感じるようになりました。
外来に来られた時から在宅の見取りまで責任を持てる環境に自信を置くことにやりがいを感じ、その環境を作ろうと思ったことがきっかけです。
かつて祖父が開業していた医院がすぐ近くにあり、当初はそこでの開業を考えていましたが、呼吸リハビリテーションを行う施設を作ると決めたため、スペース的に難しいことがわかりました。
近くに理想的な大きさの土地があり、土地勘があることが一番の決め手となり、ここで開業することにしました。
呼吸器の疾患を診るだけでなく、患者の生活背景も考慮し可能な限り本人が希望される治療を行うことです。
当院ではスタッフ数は少ないですが、ほとんどが常勤となっています。そうすることで、毎回同じ患者を担当できるため信頼関係を築きやすく、日々の体調の変化が分かり、リハビリ効果の判定も行いやすくなります。さらに、担当スタッフに責任感が生まれ、長く働きたいと感じてもらえることも大きなメリットだと考えています。
また、整形外科と違い呼吸器のリハビリは、1人あたり40分と長いため、同じスタッフが担当することで患者に安心感を持ってもらえ、定期的に通いやすくなると感じています。
診療だけでなくリハビリも行えることを念頭に置いていましたので、器具などを設置するため十分にスペースがあることと清潔感がある内装ということにこだわりました。
開業して気づいたことですが、処置室が少し狭いことと、車いすで来院される患者のために寝た状態でレントゲンが取れるようにレイアウトをすればよかったと思いました。
集患対策というよりも、病院や患者から紹介されることが多いです。紹介で来院された患者にリハビリの効果が出て、症状が安定していると、安心して新たな患者を紹介していただけます。ほかにも近隣医院の先生からご紹介いただくこともあり、口コミや紹介で新患が来ることになっています。
前職の病院を退職してから開業まで3ヵ月間の準備期間を設けることで開業準備に十分な時間が取れたため、大きなトラブルはありませんでした。
強いてあげるなら、天井の防音が弱く、リハビリする際の音が階下の診察室に響いて診察に影響が出たことです。大型連休の時に追加工事が必要になりました。1階を診察室、2階をリハビリ室としてご開業を考えている先生には、防音工事をしておくようアドバイスしたいです。
この地で開業すると決めていたので、開業用地はありましたが、建物の建築、内装工事、医療機器と備品などの選定から購入までを一貫して相談に乗ってもらえる業者がないか探していました。コンサルには相談したくありませんでしたが、同年代で開業しているドクターや、呼吸リハビリで開業している医院が少なかったため、相談できる相手がいませんでした。そこで、生野区医師会さんに相談したところ、大阪医師協の開業支援をご紹介いただきました。
担当の方には、設計業者との交渉や機器の選定など、こちらの希望を叶えるために尽力いただき、大変心強く感じました。また、診察室の椅子や診察台などを選ぶ際には、カタログだけでは使い心地などがわからず決めかねていたのですが、納入している医院にアポを取っていただき実物を見せてもらえたことも、とても助かりました。
開業までの準備は体力勝負なところもあるため、開業される年齢は早い方がいいと思います。また、患者との会話で近隣のことを聞かれることが多く、地域のことをよく知っている場所(例えば地元など)でご開業されることをおすすめします。
開業スケジュールなどわからないことがあれば、大阪医師協が親身になって解決に向けて動いていただけるため、まずご相談されてはいかがでしょうか。
きだ呼吸器・リハビリクリニック
〒544-0034
大阪市生野区桃谷4丁目16-14
TEL:06-6715-1211