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診療圏調査とは

診療圏調査とは|ドクターの医業と暮らしをサポート|大阪府医師協同組合

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診療圏調査とは

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「診療圏調査」とは、開業予定地・候補地における1日あたりどれくらいの患者数が見込めるか(推計患者数)を把握するためのものです。
推計患者数は以下の計算式で算出されます。
 
推計患者数=エリア人口×受療率÷(科目別競合医院数+自院)
 
※受療率とは、人口10万人あたりでどのくらいの方が医療機関を受診したかを表す数値。厚生労働省が3年ごとに行う「患者調査」に基づいて、都道府県別、傷病別、性・年齢別等のデータを発表しています。
 
一般的には、一次診療圏(半径500m)と二次診療圏(半径1000m)を同心円の範囲として推計患者数を算出します。
例外として脳神経外科など、開業件数が比較的少なく、専門性が高い診療科目は、遠方からの患者が多く見込める傾向があるので、診療圏を広げることもあります。

しかしながら、設定したエリアには、そのエリア特有の「生活動線」「地理的要因」が存在するため注意が必要です。
患者が来院しづらくなるマイナス要因や、患者増につながりやすいプラス要因を加味して診療圏調査を読み深めていくことも大切です。
 
 
【マイナス要因】
・線路や幹線道路があり、反対側に行きづらい
・急こう配な坂道がある
・街灯がなく、夜道が暗い
・河川があり近くに橋がない
・近隣にコインパーキングがない
 
【プラス要因】
・人が多く集まるスーパーマーケットが近くにある
・広大な駐車場があるショッピングモールが近くにある
・最寄り駅に快速電車が停まる
・相性の良い診療科目の医院が近くにある
 

実際に算出された推計患者数も重要ですが、上記のようなエリア情報は反映しませんので、実際に現地を確認する、エリアに詳しい方に尋ねてみるなども有益な情報となります。
 
 
また、診療圏調査では推計患者数を把握するだけでなく、以下を確認することも重要です。
 
・人口特性
対象地域の人口構成、世帯、持ち家や借家の割合などを確認する。
生活習慣病の患者を多く診るようであれば中~高齢層が一定数以上、小児科なら15歳未満の年齢層が一定数あるかなど。
 
・競合医院
競合として含まれた医院は細かくチェックする必要があります。
複数の診療科目を標榜している医院の主たる科目は何であるかを確認する、などです。
 
・昼間人口
診療圏調査は一般的には国勢調査のデータを利用しています。国勢調査は、そこに住んでいる人のデータとなり、いわば夜間人口となります。
昼間は学校、職場に向かう人が多くなり、昼間人口は都市部ほど多く、ベッドタウンでは少なくなります。
都市部で会社員をターゲットとした開業を検討される場合は、昼間人口も一つの指標になります。
 
 
診療圏調査は、開業時に融資を受ける際に、融資資料として提出を求められるケースもあります。
推計患者数など、表面上の数値ばかりに着目することなく、開業検討エリアにてターゲットとする患者の年齢層や将来的な予測などに着目し、立地を検討されることをお勧めします。
 
大阪府医師協同組合でも診療圏調査を行っております。ご開業を検討されている先生、気になっている物件の診療圏を知りたいという先生はぜひ開業支援課へご相談ください。